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●アースフリー用局部的等電位ボンディング(earth free local equipotential bonding)
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大地から絶縁された空間において機体接地がない場合に、すべての同時に接近可能な露出導電性部分及び系統外導電性部分を非接地としてそれらに等電位ボンディングを施して,危険な接触電圧を防止することにより,間接接触保護を行う。
なお,この等電位ボンディングシステムは,大地へ直接に電気的接触をしてはならない。
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●アースフリー用局部的等電位ボンディング用導体 (earth free local equipotential bonding conductor)
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アースフリー用局部的等電位を保証するための保護導体。
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●アームズリーチ(Arm's reach)
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人が通常、立ち動き回る面の任意の地点から,補助なしで手の届く全ての方向に対する限界まで及ぶ区域。
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●IT系統(IT system)
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系統には接地点は存在しないが、電気機器の機体が接地されている系統。
安全離隔距離(safety distance):危険な火花放電を発生しない被保護物内の2導電性部分間の最小距離。
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●IKL図(Isokeraunic Level Map)
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等雷雨目数の地域を示した地図。
一時的過電圧Ur(temporary over voltage)(TOV):所定の時間内において、防護デバイスが耐えることができる最大の実効値又は直流の電圧で、
最大連続使用電圧Ucを超えるもの。(所定の場所における電力周波数の振動性過電圧であり、
持続時間が比較的長く、減衰が弱い。)一般建築物等(Common structures):商業用、工業用、農業用、公共用又は住宅用などの普通の用途に使用する建築物等。
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●1ポートSPD(one-port SPD)
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防護する回路に対して分流するように接続するSPD。1ポートデバイスとは、1端子対
又は2端子を持つSPDである。入力端子及び出力端子は分離しており、入カ端子と出力端子間に直列のインピーダンスを持たない。
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●インパルス電圧(サージ電圧)
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過渡的に短時間出現する電圧をいう。顕著な振動波の重ならない単極性の電圧だけを考え、極性、波形、波高値の三つの因子で定められる。
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●インパルス電流(サージ電流)
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過渡的に短時間出現する電流をいう。顕著な振動波の重ならない単極性の電圧だけを考え、極性、波形、波高値の三つの因子で定められる。 動作責務試験の手順に従って試験する電流ピーク値Ipeak及び電荷Q。これはクラスI試験を行うSPDの分類に使用する。
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●IT系統(IT system)
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系統には接地点は存在しないが、電気機器の機体が接地されている系統。
安全離隔距離(safety distance):危険な火花放電を発生しない被保護物内の2導電性部分間の最小距離。
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●インパルス波頭放電開始電圧
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印加インパルス電圧の波頭で放電が始まる場合のインパルス放電開始電圧をいう。
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●インパルス放電開始電圧
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サージ防護デバイスの両端子間にインパルス電圧の印加により放電する場合、その<初期において放電電流が充分に形成され、
端子間電圧の降下が始まる以前に達し得る端子間電圧の最高瞬時値をいう。
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●インパルス放電開始―時間特性(V-t特性)
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一定の極性、一定の波形で、波高値の異なる種々のインパルス電圧を印加してサージ防護デバイスを放電させた場合の放電開始電圧と放電開始までの時間との関係をいう。この関係をグラフで示したものをV-t曲線という。
インパルス放電開始までの:印加インパルス電圧の規約原点からインパルス放電開始に相当する時<刻までの時間をいう。
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●インパルス放電耐量
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大地側から負の雷雲電荷に向かって正の先駆放電が上向きに進展する。
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●雲内放電
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同一雷雲内の正負電荷間で発生する放電
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●雲間放電
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異なる雷雲間の正負電荷間で発生する放電
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●上向き負雷撃
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大地側から負の雷雲電荷に向かって正の先駆放電が上向きに進展する。
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●上向き正雷撃
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大地側から正の雷雲電荷に向かって負の先駆放電が上向きに進展する。
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●SPD設置場所での電力系統の最大連続使用電圧Ucs (maximum continuous operating voltage of the power system at the SPD location)
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SPDを適用した場所でSPDが使用できる最大の実効値又は直流電圧。
これは単に電圧変動、電圧降下又は増加を扱う。これは直接Uoと関連し、実際の最大系統電圧とも呼ぶ。
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●SPD分離器(SPD disconnector)
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SPDが故障した場合にSPDを系統から切り離すための装置。系統の持続的な故障を防ぎ、SPDの故障を表示するものである。
少なくとも次ぎの機能がSPD分離器のために必要である。熱の間題(バリスタの熱暴走など)に対する防護、内部の短絡に対する防護及び間接的な接触に対する防護。これらの機能は1つ以上
の分離器によって試験してもよい。各分離器はSPDの内部又はそれの外部に統合してもよい。 それらはSPD回路の中で、又は電源内に用いてもよい。
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●階段状先行放電(stepped leader)
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休止時間を伴い間欠的に階段状に進展する先行放電。
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●外部雷保護システム(external lightning protection system)
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受雷システム、引き下げ導体システム及び接地システムからなるシステム。
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●開閉インパルス電圧
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インパルス電圧のうち継続時間が数百μSから数msのものを言う。
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●開閉インパルス電流
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回路の開閉により過渡的に短時間出現する電流を言う。過電圧:電気回路並びに
施設の各部相互間又は各部と大地との間に現れ、常規の値より著しく高く、各部
の絶縁強度に相当する許容値を超過する電圧をいう。
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●過渡続流
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サージ防護デバイスの放電現象から続流現象に移る過渡期のサージ防護デバイス
電流を過渡続流と言う。
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●環境領域(environmental zone)
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電磁的条件が定義された領域。
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●環状接地極(ring earth electrode)
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大地面又は大地面下に建築物等を取り巻き閉ループを構成する接地極。
緩波頭インパルス放電開始電圧:開閉インパルス電圧(開閉サージ電圧)を代表
する数ms以下の波頭長のインパルス電圧印加の場合の放電開始電圧をいう。
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●帰還雷撃(return stroke)
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負の階段状先駆放電が地表近くに達すると地表側から正のストリーマ放電が
上昇し両者が結合して雲と大地間に放電路が形成され、この放電路を通って
大地側から上昇し、先駆放電により放電路に分布された負電荷及び雷雲の
負電荷の一部を中和する強い光を伴った大電流の雷撃。危険な火花放電
(dangerous sparking):雷電流によって被保護物内に発生する好ましくない放電。
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●基礎接地極(foundation earth electrode)
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建築物の鉄骨又は鉄筋コンクリート基礎によって構成する接地極
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●規約原点
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インパルス電圧波及びインパルス電流波の波頭上にとられた下記2点を結ぶ直線
と、電圧又は電流の零点を通る時間座標軸との交点をいい、この点に相当する
時刻を規約零時刻という。
(1)電圧波では、波高値の30%及び90%の点
(2)電流波では、波高値の10%及び90%の点
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●規約波頭長
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インパルス電圧波及びインパルス電流波において規約的に定められた下記の方法
で表現される波頭の継続時間であって、通常μs単位で表示される。
(1)電圧波では波高値の30%から90%まで瞬時値が上昇するのに要する時間を
0.6で割った値。
(2)電流波では波高値の10%から90%までの瞬時値が上昇するのに要する時問を
0.8で割った値。
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●規約波頭峻度
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インパルス電圧波及びインパルス電流波において規約原点を定める直線の傾斜で
表現されるそれぞれの電圧及び電流の波頭における瞬時値の時間に対する上昇の
割合であって通常(kV/μs)及び(A/μs)で表される。
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●規約波尾長
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インパルス電圧波及びインパルス電流波において規約原点から波尾における
波高値の半分に等しい瞬時値に相当する時刻までの時間をいい、通常μs
単位で示される。
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●共用接地システム(common earthing system)
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外部雷保護システム(LPS)を含み、建築物等の相互接続された金属製設傭で、接地
極システムに接続されたもの。局部ボンディング用
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●局部的水平等電位ボンディング(local horizontal equipotential bonding)
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通常の保護導体は情報技術設備の構成要素を局部的メッシュ・ボンディング材料
(通常フロアーに設置 される)にボンディングすることによって補う等電位ボンディ
ングをいう。周波数とメッシュの間隔に依存するが、 この方法によってメッシュに近
接しているこれら設備構成要素間で信号の相互接続のための低インピーダン ス
の基準電位面を提供することができる。
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●金属製工作物(metal installation)
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被保護物内において広い範囲にわたっている金属製部分で、配管構造物、階段、
エレベータのガイドレール、換気用、暖房用及び空調用ダクト並びに相互接統した鉄
筋などのように雷電流の経路を構成出来るもの。
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●クラスI試験(class I test)
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IEC61640-12 3.9に定義した公称放電電流In、3.13に定義した1.2/50電圧インパルス
及び3.10に定義したクラスI試験の最大インパルス電流Iimpによって実施する試験。
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●クラスU試験(classUtest)
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IEC61643-12 3.9に定義した公称放電電流In、3.13に定義した12/50電圧インパルス
及び3.23に定義したクラスU試験の最大放電電流Imaxによって実施する試験。
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●クラスV試験(classVtest)
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IEC61643-12 3.11に定義したコンビネーション波形(1.2/50μs、8/20μs)によって
実施する試験。
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●クラスU試験のための最大放電電流Imax(maximum discharge current Imax for classUtest)
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クラスU試験の動作責務試験の試験シーケンスに従った大きさで、SPDに流れる
8/20μs波形の電流波高値。ImaxはInより大きい。
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●系統外導電性部分(extraneous conductive part)
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電気設備の一郡ではない,一般的には接地電位をもつ導電性部分。例えば
・建築構造体の金属製部分
・ガス,水,暖房などの金属配管設備
・絶縁されていない床及び壁
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●公称放電電流In(nominal discharge current)
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サージ防護デバイスによる保護並びに自復性能を表現するに用いる放電電流の
規定値であって所定波形のインパルス電流の波高値でこれを表示する。 (SPDを
流れる電流波形が8/20μsである電流の波高値。これはクラスU試験を行うため
のSPDの分類、並びにクラスI試験及びクラスU試験に対するSPDの前処理のとき
にも使用する。)
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●合成波
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開路に対し1.2/50μsの電圧インパルス、短絡に対し8/20μsの電流インパルスを
印加するジェネレータによって伝達される波形。合成マルチポートSPD:電カシステム
や通信システムなど、異なるシステムに接続されている装置の2つ以上のポートにサ
ージ保護を設ける手段が単一パッケージに一体化されているサージ保護装置。
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●コンビネーション波形(combination wave)
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開回路の両端で1.2/50μsの電圧インパルスを、短絡回路で8/20μsのインパルスを
発生する発生器によって与えられる波形。SPDに印加する電圧、電流の振幅及び
波形は、発生器及びサージを印加するSPDのインピーダンスによって決まる。 短絡回
路電流のピークに対する開回路電圧のピークの比は2Ωで、これを想定インピーダンス
Zfとして定義する。短絡回路電流はIscの記号で表す。開回路電圧はUocの記号で
表す。
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●サージ防護デバイス(surge protective device)(SPD)
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過電圧を制限し、サージ電流を分流することを目的とするデバイス。このデバイスは
1ヶ以上の非直線素子を内蔵している。(IEC62066 低圧設備の雷保護の一般情
報)ただし同一の機器をIEC61312-1「雷による電磁インパルスに対する保護」では
「サージ保護装置」またIEC60364「建築電気設備」では「過電圧保護器」と呼んで
いる。
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●サージ防護デバイスの保護能力
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公称放電電流に対する制限電圧で決まる。雷インパルス放電開始電圧は、その
サージ防護デバイスが保護する機器設備の雷インパルス耐電圧のおよそ80%以下。
開閉インパルス放電開始電圧は機器設備の開閉インパルス耐電圧のおよそ85%
以下。
(雷と開閉インパルスで裕度が異なるのは、雷インパルスの方が波頭が急峻で
あるため。)
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●最大連続使用電圧Uc(maximum continuous operating voltage)
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防護モードのSPDに連続して印加してもよい最大実効値又は直流電圧。
これは定格電圧に等しい。
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●残留電圧Ure(residual voltage)
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放電電流の通過によってSPDの端子間に発生する電圧のピーク値。
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●試験用接続部(test joint)
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雷保護システム構成部分の電気的試験及び測定を容易にするために設置した
接続部。
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●下向き負雷撃
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負の雷雲電荷から大地に向かって負の先駆放電が下向きに進展する。最も普通
の大地放電の形式である。
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●下向き正雷撃
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正の雷雲電荷から大地に向かって正の先駆放電が下向きに進展する。
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●主接地端子(main earthing terminal)及び接地母線(main earthing bar)
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等電位ボンディング導体及び接地することを目的とする一機能接地があるならば
その導体を含む一保護導体の接続に供される端子又は母線。
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●主等電位ボンディング(main equipotential bonding)
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等電位ボンディングのうち次の導電性部分を互いに接続する部分。
・主保護導体
・主接地導体又は主接地端子
・ビル内に引き込む配管類。例えばガス管,水道管
・金属橋躯体,集中暖房設備及び空調設備
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●受雷部システム(air termination system)
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外部雷保護システムのうち雷撃を受けるための部分。
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●商用周波放電開始電圧
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サージ防護デバイスの両端子間に印加された際に波高値付近において放電が起きて
実質的にサージ防護デバイスに電硫が流れ始める最低の商用周波正弦波電圧の
実効値を言う。
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●制限電圧
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サージ防護デバイスの放電中、過電圧が制限されて、両端子間に残留するイン
パルス電圧であって、放電電流の波高値及び波形によって定まる。通常は波高
値で示す。
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●制限電圧電流特性
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一定極性、一定波形で波高値の異なる種々のインパルス電流をサージ防護
デバイスにながした場合における制限電圧波高値と放電電流波高値との関係を
いい、この関係をグラフで示したものを制限電圧電流曲線という。
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●接地基準点(ERP)(earthing reference point)
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共用接地システムとシステムのボンディング回路網とを1ヶ所で行った接続点。
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●接地極(earth electrode)
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大地への電気的接続を提供する接地電位をもった1導体又は導体の集合。
(大地と直接電気的に接触し、雷電流を大地へ放流させるための接地システムの
部分又はその集合。)
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●接地係数
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三相電カ系統のサージ防護デバイス設置点における接地係数とは、1線接地事故
の際にサージ防護デバイス設置点における健全相の対地電圧の達し得る最高の実
効値を、事故を除去した後の線間電圧の百聞率で表したものをいう。
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●接地システム(earth-termination system)
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外部雷保護システムのうち、雷電流を大地へ流し拡散させるための部分。(備考)
抵抗率の大きい土壌において、接地システムは付近の大地への落雷によって土壌
に流れる雷電流を補足することがある。
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●接地線(earthing conductor)
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主接地端子又は接地棒を接地極へ接続する保護導体
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●接地電圧(earth-termination voltage)
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接地システムと無限遠大地間との電位差。
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●先駆放電
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最初に雲底から出発した先行放電。
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●先行放電(leader)
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帰還雷撃に先行して雷雲から大地に向かって進展する放電。
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●相互接続した鉄筋(interconnected reinforcing steel)
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電気的に連続性があるとみなされる建築物等内の鉄筋組み。
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●挿入損失(insertion loss)
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電源供給システムに接続したSPDの与えられた周波数における挿入損失は、
試験対象SPDを挿入する前後に、挿入点の負荷側の給電線に現れる電圧の比。
この結果はデシベル単位で表す。
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●測定制限電圧(measured limiting voltage)
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規定した波形及び振幅のインパルスを印加したとき、SPDの端子間で測定した
電圧の最大値。
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●続流(follow current)
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電源系統から供給する電流で、電圧スイッチ形SPDがインパルス放電電流で
放電後にSPDを引き続き流れる短絡モードの電流をいう。一般に電圧制限形
SPDでは続流は流れない。
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●大地放電
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雷雲の電荷と大地に誘導された電荷問で発生する放電
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●耐短絡性(short-circuit withstand)
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SPDが耐えることができる推定最大短絡電流。この定義は交流50/60Hz及び
直流に該当する。
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●対地雷撃密度
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地上に対し毎平方q当たり年間何回の雷撃があるかの数値
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●多重雷撃(multiple stroke)
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帰還雷撃等により同一放電路を通って反復される雷撃。
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●単一雷撃
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多重雷撃でない雷撃。
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●短時間継続雷撃(short duration stroke)
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電流の波尾長が1ms未満の雷撃。
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●長時間継続雷撃(long duration stroke)
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電流の継続時間(波頭部の10%値から波尾部の10%値までの時間)が10数ms超過かつ1s未満の雷撃。
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●TN系統(TN system)
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中性点の一点が,一般に電源の近傍で直接に接地され,この点と電気機器の機体が
保護導体を経由して結ばれている系統。
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●TT系統(TT system)
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中性点の一点が,一般に電源の近傍で直接に接地され,電気機器の機体が他の接地
即ち中性線の接地と無関係な接地に結ばれている系統。
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●鉄筋コンクリート造建築物等
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鉄筋コンクリート造建築物等内の鉄筋組みは、次のすべての条件に適合する場合、
電気的連続性があるとみなす。
a)垂直バーと水平バーとの相互接続部の約50%が溶接又は結束などによって電気的
連続性が確保されていること。
b)垂直バーは、溶接又はその直径の20倍以上の長さで重ね合わせ堅固に結束
されていること。
c)個々のプレキャストコンクリートユニットと隣接プレキャストコンクリートユニット問の
鉄筋の電気的連 続性が確保されていること。
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●電圧制限形SPD(voltage limiting type SPD)
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サージを印加していない場合は、高インピーダンスであるが、サージ電流及び
電圧が増加するに従い連続的にインピーダンスが低くなるSPD。非直線デバ
イスとして使用する部品の一般的な例としては、バリスタ及び低電圧ダイオー
ドがある。これらのSPDは時にclampingtype SPDと呼ぶ場合がある。
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●電圧スイッチング形SPD(voltage switching type SPD)
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サージを印加していない場合は高インピーダンスであるが、電圧サージに応答して
瞬時にインピーダンスが低くなるSPD。電圧スイッチ形SPDに使用する素子の一般
的な例は、エアギャップ、ガス入り放電管、サイリスタ形サージ防護素子及び双方向
3端子サイリスタ(トライアック)がある。これらを「crowbar-type」と呼ぶ場合がある。
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●電圧スイッチング形SPDの放電開始電圧 (spark over voltage of a voltage-switching SPD)
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SPDのギャップ電極間で、放電を起こす直前の最大電圧。
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●電圧電流特性(V-I特性)
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サージ防護デバイスの放電時における両端子間電圧と放電電流との各瞬時間の
関係をいい、この関係をグラフ表示したものをV-I曲線という。
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●電圧防護レベルUp(voltage protection level)
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端子間の電圧を制限するとき、推奨値のリストから選定するSPDの性能を規定
するパラメータ。この値は測定制限電圧の最大値より大きい。
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●動作責務試験
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サージ防護デバイスが所定の単位動作責務を所定の回数だけ反復遂行出来る
ことを検証する目的で、 実系統における動作状態を模擬して行う試験をいう。
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●等価接地低抗(equivalent earth resistance)
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接地電圧と接地電流のピークの比。一般に、このピーク値は同時に発生しないが、
接地システムの効率を表すため、この比を慣例的に使用する。
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●等電位ボンディング(equipotential bonding)
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異なる露出導電性部分と系統外導電性部分を事実上等電位とする電気的接続。
等電位ボンディングは、次のように区分される。
・主等電位ボンディング
・補助等電位ボンディング
・アースフリー等電位ボンディング
等電位ボンディングの役割は、次のとおりである。
@感電保護
・危険な接触電圧の回避
・電源の自動遮断における故障ループインピーダンスの低減
A電磁障害保護
・安定した基準電位の確保
・機器に影響を与えるノイズ電流を効果的に流出する
B過電圧保護(雷、開閉サージ)
・離れた導電性部分間を直接又はサージ防護デバイスによって行う接続。
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●等電位ボンディング導体(equipotential bonding conductor)
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等電位ボンディングを保証するための保護導体
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●特性要素
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サージ防護デバイスの特性要素とは、非直線電圧―電流特性により放電の際は、
大電流の通過を許して端子間電圧を制限し、放電後は続流を実質的に阻止又は
遮断できる程度に制限するサージ防護デバイスの構成部分を言う。
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●内部雷保護システム(internal lightning protection system)
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被保護物内において雷の電磁的影響を低減させるため、外部雷保護システムに追加
する全ての措置で等電位ボンディング及び安全離隔距離の確保を含む。
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●2ポートSPD(two-port SPD)
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2端子又は4端子をもつSPD。入カ端子対及び出カ端子対があり、入カ端子対と
出力端子対間に直列のインピーダンスを持つ。
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●2ポートSPDにおける負荷側サージ電流耐量 (load-side surge withstand capability for a two-port SPD)
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SPDの出力側にある負荷に起因するサージに対する、2ポートSPDの出カ端子の
サージ電流耐量。
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●熱的安定性(thermal stability)
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温度上昇が起こる動作責務試験後に、SPDに規定の周囲温度条件で、規定の
最大連続使用電圧を印加したときに、SPDの温度が時間の経過と共に下降した
熟的安定状態。
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●ネットワークの一時的過電圧Utov(temporary over voltage of the network)
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比較的長い期間に指定する場所で、ネットワーク上に生じる過電圧。TOVは、低圧
系統(Utov,lv)の内部又は高圧系統(Utov、hv)の内部故障によって引き起こる。
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●熱暴走(thermal runaway)
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SPDに生じる熱損失が容器及び接続部の温度許容能力を超え、内部素子への熱
の蓄積増加によって最終的に故障に至る動作状態。
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●バー(local bonding bar)
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隣接する雷保護領域の境界で施すボンディング用バー。
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●波形の表示
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インパルス電圧波形及びインパルス電流波形の表示は通常μs単位で示され規約波
頭長と規約波尾長との組み合わせで表示され、Tf/Tiなる様式で書き表される。
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●波高値及び波高点
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インパルス電圧波及びインパルス電流の到達する最高の瞬時値をいい、電圧波及び
電流波におけるその位置を波高点という。
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●波頭
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インパルス電圧波及びインパルス電流波の波高点以前の部分、即ち、それぞれ電圧
及び電流瞬時値の上昇途中の部分をいう。
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●波尾
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インパルス電圧波及びインパルス電流波の波高点から終点までの部分、即ち、
それぞれ電圧及び電流瞬時値の下降途中の部分をいう。
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●引下げ導線(down-conductor)
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外部雷保護システムのうち、雷電流を受雷部システムから接地システムヘ流す
ための部分。
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●被保護物(space to be protected)
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規格に従って雷の影響に対して保護しようとする建築物等の部分又は範囲。
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●被保護物から独立した外部雷保護システム (extenal LPS isolated from the space to be protected)
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雷電流の経路が被保護物に接触しないように受雷部システム及び引き下げ
導線システムを配置した雷保護システム。
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●被保護物から独立しない外部雷保護システム (external LPS not isolated from the space to be protected)
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雷電流の経路が被保護物に接触して受雷部システム及び引き下げ導線シス
テムを配置した雷保護システム。
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●100%放電開始電圧
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多数回印加して毎回放電が起きるような一定極性、一定波形のインパルス電
圧の波高値の最低限度をいう。
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●複合型SPD(combination type SPD)
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電圧スイッチ形の素子及び電圧制限形の素子の両方を合わせ持つSPD。
印加電圧の特性に応じて、電圧スイッチング、電圧制限又は電圧スイッチング及び
電圧制限の両方の動作をしてもよい。
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●PEN導体(PEN conductor)
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保護導体及び中性線の機能を兼ね備えた接地導体。(頭文字のPENは、保護
導体のPEと中性線のNの組合せ)(IEC60050-826-04-07)
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●放電
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サージ防護デバイスの放電とは、インパルス電圧が両端子間に加わった際に、
これに伴うインパルス電流をサージ防護デバイスを通して流し、過電圧を制限
するサージ防護デバイスの作用を言う。
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●放電耐量
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サージ防護デバイスに実質上の障害を起こすことなく、所定の回数だけ流し得る
所定波形の放電電流波高値の最大限度をいう。
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●放電電流
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サージ防護デバイスの放電電流とはサージ防護デバイスの放電中にこれを流れる
インパルス電流を言い通常は波高値で示す。
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●保護レベル(protection level)
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雷保護システムを効率に応じて分類する用語で、釈放電電流に対する制限電圧、
雷インパルス放電開始電圧、開閉インパルス放電開始電圧の三つをまとめて言う。
(備考)保護レベルは雷保護システムが雷の影響から被保護物を保護する確率を表す。
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●保護係数
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保護レベルを定格電圧波高値で除した値を言う。保護能力の面からはこの値が
低い方が良いが、不必要な放電を避けるために限界がある。
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●保護導体(PE)(protective conductor)
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以下の部分のいずれかに電気的に接触した場合の感電への対策として必要な導体。
・露出導電性部分
・系統外導電性部分
・接地端子
・接地極
・電源あるいは中性点の接地点
保護導体には感電保護手段を構成する上において、故障電流を流すことを目的
として施設される保護導体と、地絡故障が発生した場合でも接近可能な2点間に
おいて等電位を図ることを目的として施設される等電位ボンディング導体とがある。
(IEC60050-826-04-06)
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●防護モード(modes of protection)
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SPDの防護素子が、ラインーライン、ラインー接地、ラインー中性線又は中性線―
接地及びそれらの組み合わせで接続する経路。
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●補助等電位ボンディング(Supplementary equipotential bonding)
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主等電位ボンディングを補助するかたちで追加する、局部的等電位ボンディング。
すべての同時に接近 可能{アームズリーチ内}な固定設置の機器の機体、保護導
体接続端子及び全ての系統外導電性部 分を接続する。
(IEC60364-4-413.1.61)
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●補等電位ボンディング用導体(Supplementary Equipotential bonding conductors)
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補助等電位ボンディングを保証するための保護導体。
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●ボンディング回路網(bonding network)
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システムの露出導電性部分をボンディングする導体の回路網。
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●ボンディング導体(bonding conductor)
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離れた設備部分間を等電位化するために用いる接続用導体。
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●ボンディング用バー(bonding bar)
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金属製工作物、系統外導電性部分、電力線、通信線及びその他のケーブルを
雷保護システムに接続することが出来るバー。
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●矢形先行放電(dart leader)
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第一雷撃後に階段状とならず、連続的にリーダが前の放電路を通る先行放電。
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●雷インパルス電圧
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雷により発生する短時間過渡的に出現する電圧を言う。
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●雷インパルス電流(波高値・波高点・規約原点・規約波頭長・規約波尾長)
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雷により過渡的に短時間出現する電流を言う。 インパルス電流波形は(IEC61312-1)
に規定されている。横軸は時間経過を示し、縦軸は各瞬時の電流値を示す。電流
はその最大値まで比較的急遠に立ち上がり、その後は緩慢に減衰する。と言っても
数十マイクロ秒の範囲である。このインパルス電流の波頭部を直線で表すとすれぱ、
最大値の10%と90%を直線で結び、それを延長した場合の時間軸との交点「規約原
点」及び電流最大値「波高点」で時間軸と平行に引いた直線との交点(この点と電
流値が波高値である。) 間の時間差が8μsと定められており、これが「規約波頭長」
である。また波高値が50%に減衰する点「半波高点」を求めて、規約原点から半波高
点に達するまでの時間を「波尾長」と呼び、これを20μsと規定している。波頭長と波
尾長は次のように表現する。…8/20μs。もしメーカーが大きな公称放電電流を表示
したならばサージ防護デバイスはそれに相当した大きなエネルギーの処理ができな
ければならない。
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●雷雨
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全世界において年間約16・10×6乗の雷雨が発生し、毎秒約100回の雷放電を生じて
いるが、雷雨発生の頻度は季節・時刻・地域により異なる。
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●雷撃(lightning stroke)
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落雷における一回の放電。
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●雷撃距離(striking distance, final jump distance)
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先行放電が大地に接近し、最終的に放電する距離。
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●雷撃点(point of strike)
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雷撃が大地、構造物又は雷保護システムと接触する点。(備考)落雷は2つ以上の
雷撃点をもつことがある。
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●雷電流(lightning current)
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雷撃点に流れる電流。
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●雷電流波高値(kA)
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落雷における最大電流値。
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●雷電流波高値累積頻度分布曲線
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雷電流の波高値は幅広く分散しているので、波高値の統計量が必要になる。
雷電流波高値累積頻度分布曲線は、観測結果をもとにして、その電流値以上
であった割合を示したものであり、ほぼ対数正規分布となる結果が得られている。
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●雷による電磁インパルス(LEMP)(lightning electromagnetic impulse) (雷電流波頭長(μs)・雷電流峻度(kA/μs)・雷撃継続時間(μs))
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障害発生源としての雷による電磁インパルスの電流及び電磁界
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●雷放電継続時間(flash duration)(ms)
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雷電流の始めから終わりまでの時間。
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●雷保護システム(lightning protection system)(LPS)
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雷の影響に対して被保護物を保護するために使用するシステムの全体。これは
外部及び内部雷保護システムの両方を含む。
(備考)特別の場合、雷保護システムは外部雷保護システム又は内部雷保護
システムの片方を指すことがある。
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●雷保護システムの“構造体利用"構成部材(”natural” component of LPS)
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その目的のため特別に設置したものではないが、雷保護機能を果たす構成部材。
(備考)この用語の使用例を次に示す。
・"構造体利用"受雷部
・"構造体利用"引き下げ導線
・ "構造体利用"接地極
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●雷保護等電位ボンディング(lightning protection equipotential bonding)
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充電線と等電位ボンディング又は接地極とをサージ防護デバイスにより接続すること
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●雷保護領域(LPZ)(lightning protection zone)
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雷の電磁的環境が定義され、保護された領域。
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●落雷(lightning flash to earth)
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雷雲電荷と大地問に誘導された電荷間で発生する雷放電。この落雷は1回以上の
雷撃を含む。
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●劣化(degradation)
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サージ、SPDに通常の使用状態又は厳しい使用環境に曝された結果によるSPDの
初期性能値の変化。
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●連続使用電流Ic(continuous operating current)
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各モードに対して最大連続使用電圧Ucを印加したとき、SPDのそれぞれの防護
モードを流れる電流。
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●露出導電性部分(exposed conductor)
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接触される可能性があって,通常は通電されておらず、故障時に充電部となる可能性
のある電気機器の導電性部分。
(注)故障時のみ、露出導電性部分を通して充電部となる電気機器の導電性部分は、
露出導電性部分とは見なさない。例えば電気機器の鉄台、金属製外辺など。
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